Tiger Uppercut!~ある秋田人の咆哮
サブタイトル タイガー!タイガーアッパカーッ!秋田の歴史、文化、グルメ、時事、そしてステキな未来の書き下ろし!
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大潟村を湖に戻したくてたまらない

2007 年 2 月 8 日 by TU

いや、わかってますよ。
こういうと怒られるのは。
こないだ飲んでるとき「干したのおれのおじいさんだ」という方にもお会いしたし・・。

その時代には時代のニーズがあるし、
政治的事情などもあるだろうし、
現在の常識を持ってはかることができないというのもわかる。
僕はその方もそのおじいさんも尊敬している。
責めるべきは人ではない。
時代だ。
世の中よ、あわれなりけり。

でもね、だいたいね、干したんだよ湖を。
ものすごい反自然的な開発事業なんだよ。

ぼくらが生まれたとき、すでに八郎湖はなかった。
教科書に大潟村が載っているのが誇らしかった。
ぼくらはそういう世代である。
しかし半世紀が経とうとしている今、再評価が必要ではないものか。
たかだか米と引き替えに失った物も多いはず。
だって現代なら間違いなく議会を通過しないでしょう??
その前にラムサール条約にもろひっかかるでのは???

干拓事業の目的を調べてみると以下のようである。

|当時、どうして八郎潟を干拓する必要があったのでしょうか?
|理由はつぎのとおりです。

|(1) 新しく田んぼを広げて食糧を増産する。
|(2) 八郎潟の湖岸地域の水害を防止する。
|(3) 農家の次男・三男が農業を行う場所を提供する。
|(4) 日本のモデル農村を建設する。

ここからは人間のあさはかなエゴしかみえない。
この論理でいったら最終的には戦争するしかないじゃないか。

「どちらからいらっしゃいました?」

「秋田です」

「ほ~、あの秋田ですか。世界一美しい湖があるというあの海の国ですか。おうらやましい。」

こういうやりとりを多くの秋田人は経験していたかもしれなかった。
歴史のifには興味が尽きない。

しかし、その我らの美しい湖は、ついこの前、 農民の次男、三男に農業させる場所をつくるために、よってたかって干してしまった。
いかに戦後30年代とはいえ、他の殖産興業のアイデアはなかったものか。

今、現状は、

「秋田からきました」

「あ~秋田というとあのリアス式海岸のあるところですね」

「・・・」

最近はリアス式でなくて鈴香とか幼児虐待なんだろうが、
まあだいたいこんなものである。
リアス式海岸などという人は特別アホなんだろうとも思うがまあそういうもんなんだろう。
それに対して「それは岩手だろ!」というツッコミもいれない我々。
失ったものは「誇り」なのかもしれない。

現在、大潟村に住んでる人や、その人たちが行っている様々な試みについては、
非常に刺激を受けているし、模範すべき部分も多い。
秋田にいて、特に素晴らしい人たちだと思う。
その方々やその方々の行う事業を批判するものではまったくない。
むしろ逆だ。

俺は普通に、
生き物たる人間として、誇りある秋田人として、あそこを湖に戻したい。
八郎湖に映る蒼い空を見てみたい。
白い鷺はやってくるか。

どうにかできないものか。
ほう、あの水門ぶっ壊せばいいだけって本当ですか?

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コメント / トラックバック 5 件

  1. 湖のうんちく

    八郎潟の名称は、人から龍へと姿を変えられた八郎という名の龍が、放浪の末に棲家として選んだという伝説に由来するとも言われる。ただし伝説においても、今や八郎はこの湖には滅多に戻らないとされている。(田沢湖の項目を参照)・ハルさんからのコメントで思い出した

  2. 髭親爺 より:

    色々遊んでいたらたどり着きました。
    現在、大潟村で百姓をしております。
    確かに20世紀最大の事業と言っても
    良いかも知れない事業でした。
    今だとたぶん20世紀最大の環境破壊でしょう!
    農業は最大の環境破壊産業だと言う人もいます。
    それにもうなずけます。
    たぶん水門を壊せば、
    海水と混じり合って
    昔のような湖に一部戻るでしょう。
    それだけでは、
    中央部分が干陸したままですので、
    正面堤防と言われる所を
    壊すのが効率的かと思います。
    以上参考まででしたm(_ _)m

  3. T U より:

    髭親爺さん、こんにちは。
    非常におもしろいコメントありがとうございます!
    実際に干したどうだというよりもそれを許した社会の風潮というかなんていうかが怖いです。
    時代の潮の流れというのはいったん歯車が噛み合えば誰にも止めることのでないものなんでしょうか。
    消費税も年金も核も戦争もダダーーッと行ってしまうのが民度の低い社会なのでしょうか。
    行くにしても、統率するリーダーが欲しいです。

  4. でこ より:

    はじめまして。TUさん。
    僕も同じことを考えておりました。
    確かに生まれた時点で、干拓地であり、八郎潟はなくなっていたわけです。(僕はS40年生まれ)
    単純には、米の生産調整などする必要もなく、観光資源としての八郎潟は非常に魅力的だと思います。生物資源を生む器としても大きいものがあったのではないでしょうか。
    それにも増して、八郎潟の湖畔から見た寒風山はどんな風に見えただろうか、と想像すると涙が出てきそうです。
    どうして誰も反対しなかったのか。どなたかの論考に、当時の秋田は借金地獄で、国の方針に逆らえなかったのだ、とありました。
    入植された方には申し訳ないのですが・・・そう思っています。

  5. T U より:

    あでこさん、はじめまして。
    コメント頂きましてありがとうございます。
    なるほど・・。
    借金地獄で、ですか・・。
    財政、経済破綻間近のこの頃、八郎湖の二の舞があっても不思議ではなくなってきてますね。
    同じ理由で、軍事施設や放射性破棄物最終処分場などがボンボン秋田に出来るかもしれません。

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プロフィール
     投稿者: TU
     紹介: 秋田市在住秋田人。会社を創業、 そして経営。現在30代前半。 人生の真夏。 好きなもの=「秋田」
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