Tiger Uppercut!~ある秋田人の咆哮
サブタイトル タイガー!タイガーアッパカーッ!秋田の歴史、文化、グルメ、時事、そしてステキな未来の書き下ろし!
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三春の秋田

2008 年 5 月 12 日 by TU

かねがね三春に行きたいと思っていたもう一つの理由。
それは、この三春は「秋田氏(安東氏)」が幕末を迎えた地なのだということ。

秋田氏(安東氏)は関ヶ原まで、今の秋田県内において、
内陸の小野寺氏とともに秋田の覇権を争っていた戦国大名だ。
拠点を土崎湊に置き、能代、南秋、男鹿、秋田平野一帯、米代川流域、
由利の一部、仙北の一部など海側の平野部を統一し、
いわゆる「秋田」と呼ばれた地域のほとんどすべてを支配下に置いていた。
15世紀、私の実家のある場所も秋田(安東)氏の支配下だったことがある。
安倍貞任の後裔を名乗り、古代から北前の水軍として津軽・秋田で大きな勢力をふるってきた秋田氏(安東氏)。
大陸からの往来者との交流も深かったはず。
土崎湊隆盛の基盤をつくったのは無論、彼らだ。
こういう彼らに私のような秋田人が興味を持たないわけがない。

イオンSCのある台地には彼らが攻め落とした敵の居城が今でも残っているし、
その際の伝説なども今だに口伝として残っている。
土崎の寺社群は彼らの拠点の名残だし、
私も毎朝、その支城であり重要拠点だった白樺城の眼下を通って通勤している。
それほど身近であり、多くの秋田人にとっては特別に重要な人々なのである。

それが関ヶ原で徳川方について、
上杉&小野寺勢をよく抑えたことの論功行賞で秋田から常陸へ国替え。
秋田からは去ったが、姓だけは持って行ったのだ。
秋田時代の最後の領主、実季の時代に「秋田(秋田城介)」と名乗り、
そのまま今に至る。

その秋田安東氏が秋田からこの三春5万5千石に来たのが1645年。
その間、飛び抜けた実績や傑出した人材を出すことはなかったが、
江戸期を堅実に、小ぶりながらも見事な文化をここに培って、廃藩置県を迎える。

安東氏が13世紀あたりまで拠点としていた津軽十三湊の福島城跡や、
男鹿の脇本城跡にも私は行ったことがあるが、
それらの城のイメージのような冒険的で投機的でactivityなエネルギーはない。
三春はこじんまりとしているが、
そのぶん堅実で安定を願う人々の強靱さ、腰の強さを感じるのだ。

古代。
日本海の民、海の豪族であった彼ら。
西の松浦党と比肩する学者もいるほど海と密接な関係を持って生きてきた彼ら。
それが北前の大海から、アタタラ・アブクマの山海へとステージチェンジ。
海でも山でも彼らはよくやったと思う。

幕末こそ、いち早く官軍に寝返り、
会津や二本松を蹂躙する道案内役になってしまいひんしゅくを買ったが、
しかし、この山あいの見事な街ぶりに見るにつけ、しみじみ思う。

秋田さん、あんたうまくやったよなあ。

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コメント / トラックバック 3 件

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    戦国大名島津北上著者:西山正徳出版社:高城書房サイズ:単行本ページ数:291p発行年月:2001年10月こ

  2. ナナ より:

    私の叔父はルーツをたどり、中津藩ではあるが秋田三春藩から流れてきたことを知り、最後には姓を秋田に変えたほどの人間です。亡くなりましたが、その間の研究資料残されているといとこから聞いています。
    私も三春に行きたい人間です。

  3. T U より:

    ナナさん、コメントありがとうございます!
    叔父さん、すごいですね。
    武士の忠義を感じさせますね。
    ご先祖様ももともとは秋田で活躍されていたんでしょうね。
    ぜひその研究資料を拝見させて頂きたいものです。

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     投稿者: TU
     紹介: 秋田市在住秋田人。会社を創業、 そして経営。現在30代前半。 人生の真夏。 好きなもの=「秋田」
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