光徳寺をあとにして一路帰路へ。
帰路とは簡単に口にするものの、
これから10時間以上にわたり車を運転しなければならない・・。
しかし、せっかく七尾に来たのだからやはり七尾城くらいは見ておきたい。
最後の帰り道の途中に立ち寄る。
日本五大山城に数えられ、その中でも筆頭だろうこの七尾城。
車で上まであがっていけるのだが、オーバーヒート寸前だった。
それほど高いのだ。
能登畠山氏が築城し、拠点とした七尾城。
往時は麓に城下町「千門万戸」が一里余りも連なり、
その山麓の山頂にそびえる七尾城の威容は「天宮」とまで称されたという。
誇張ではなく、確かにそう見える。
素晴らしい山城だ。
実際の防御能力も相当高く、
畠山氏滅亡の際の攻城戦ではあの上杉軍の猛攻を許さず、
一年にもわたり近代戦術の祖といわれた上杉謙信を釘付けにし、
包囲を強いさせた。
最終的には落城の憂き目をみたが、
それも原因は遊佐・温井らファッキン家臣の裏切りによって。
畠山氏は上杉軍団に屈したが、七尾城は屈していないのだ。
本丸の近くに車を止めて山林を歩く
当時の遺構がそのままに残っているのも素晴らしい
城跡というよりも遺跡みたい
落城直後、
ここで上杉謙信によって有名な漢詩「九月十三夜 陣中作」が詠まれた。
霜は軍営に満ちて秋気清し
数行の過雁月三更
越山併せ得たり能州の景
遮莫家郷の遠征を憶う
意味は、
見渡す限り真っ白な霜が、我が陣営いっぱいに満ちて、
秋の気配がすがすがしい。
幾列もの雁の群れが空を飛んで行き、真夜中の月が白々と照り映えている。
越後、越中の山々に、手中にした能州を併せたこの光景はまことに素晴らしい。
故郷では遠征のことを案じていることだろうが、
ままよ、今夜はこの美しい十三夜の月を静かに賞でよう。
というものらしい。
上杉謙信がみた光景はまさにここからの光景だっただろう。
七尾城、本丸
ここは天空の城なのだ。
なるほどね、
謙信のヤツが欲しがるわけですよ。
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