Tiger Uppercut!~ある秋田人の咆哮
サブタイトル タイガー!タイガーアッパカーッ!秋田の歴史、文化、グルメ、時事、そしてステキな未来の書き下ろし!
newentry recentcomment アーカイブ links

神宮寺嶽は見ていた ~十一人獄門の真実

2007 年 4 月 3 日 by TU

津軽藩の参勤交代は、奥州街道ではなく常に秋田の羽州街道を通った。
南部経由だと藩主が殺されるおそれがあるからだ。

一度、おめおめと盛岡を通ったことがあるようだが、
そのときにはキッチリ南部藩士によって命を狙われ、
命からがら津軽領内に戻ったらしい。
怨念、凄まじく深い両藩。
以来、秋田との藩境矢立峠には藩主の命を狙うHitmanが常に潜んでいたという。

そういう物々しい理由で、
津軽の大名行列は弘前城から現在の7号線を上り、
秋田市からはほぼ現在の13号線を上っていく。
仙北の神宮寺で雄物川を渡るのだが、
そこで渡船場の渡し人足たちが、
殿・津軽信寧に、法外な渡し賃を請求したという。

しかし、これは真実ではないだろう。

いかに他藩の渡船場とはいえ、
渡し船の漕ぎ手という士農工商の最底辺以下にいる者どもが、
最高位にいる殿様の御一行から正面きって賃料を貪りとるなどできるだろうか?
折しも身分制度の最も厳格堅牢な江戸中期、そんなことがあってたまるか。

そして江戸に着いてから、
津軽藩主は江戸城中で秋田藩主・佐竹義真にクレームをつける。
おそらく、こんなやりとりだったろう。

津軽の殿
「いやーあんたんとこの神宮寺でいっつも待たされるよ。暑くて暑くてまいねまいね。俺、殿様なんだから優先しろっつーの。だいたい日本語知ってんの?なにあの連中?何言っても、わりし、もうしわげねし、さいならし、ばっかり。もうちょっと領民のレベルあげたら? 同じ奥羽の大名として恥ずかしくなるよこのチョンマゲ!」

佐竹の殿
「ウ・・、申し訳ない・・。(恥かかせやがって神宮寺の三助どもめ!)」

この当時、津軽信寧12歳、佐竹義真19歳である。
この二人のヒマなガキどものどうでもいいような会話で、可哀想な神宮寺の渡船人足11名の運命が決まった。

「此者共先達津軽越中守殿当所御川越之節
      賃銭ヲ貪取リ候ニ付キ獄門ニ行フモノナリ」

処刑は津軽藩主がここを通る前日にわざわざ行われた。
草いきれがムッとする夏の暑い日だったという。
その時期の川辺の匂い、川の畔で生まれ育った私にはよくわかる。

「なにゆえ、死なねばならぬのか」

本人はもちろん、親、妻、息子、娘、仲間、縁者、すべての者がそう思ったろう。
それ以来、歴代の津軽藩主がここを通るたびに彼らの怨霊が出現し、
怨念の暴風雨をしっかりお見舞いするという。
以来、津軽の参勤交代は羽州街道を通るにしても命がけのものとなってしまった。
津軽の大名行列は神宮寺渡しを無事に渡河できると、
弘前にその旨を告げるためだけの早馬を走らせるんだそうだ。

非合理に斃れた、我ら川の民の無念に涙す。

よろしければクリックお願いします→人気blogランキングへ

コメント / トラックバック 8 件

  1. こなつ より:

    ひえぇぇぇ~~~それなのに「秋田ほいど」なんて言って、津軽衆は罰当たりでまねがったねはぁ。
    我(わ)んどば許してけろ~。
    (-人-;)なんまんだぶなんまんだぶ…。
    コメントのカキコ本当に嬉しかったです、ありがとうございました♪ 秋田ほいどについて、昔話の詳細を思い出しましたのでUPしました。 宜しければまた覗いてみてくださいね。 多分、悪い意味ではないです。 
    昔から秋田が豊かだったという逆説的証拠だと思います。

  2. こなつ より:

    ついでに、「語り手」もやっているのだから、と。
    調子に乗ってその昔話を録音してみました♪
    そちらも聞いていただければ嬉しいです☆
    あの、秋田の人に恨みはありませんよー!!
    私も秋田の血が流れているのですから~~~!!!

  3. T U より:

    マナーわからぬゆえの無礼あると思いますがお許し下さい(^^;)
    また遊びに行かせていただきます。
    「ほいど」って何語なんでしょうね?
    東北弁というよりも多分昔の京都言葉ではないでしょうか?

  4. こなつ より:

    いえいえ…何かコメント共用しちゃってごめんなさい。
    電波女がこなつじゃないことを祈ってます。
    人を指す「んど」がつくので、かなり古い大和言葉じゃないでしょうか? 以前、津軽弁研究者のフォーラムで津軽弁にはかなり大和言葉が残っている、と聞きましたので。
    他に「んど」がつく津軽弁↓
    「あいんど」=あいつら、あの人達。
    「なんど」=汝ら、あなた達。
    「わんど」=我ら、私達。
    ん? これって人の複数形ばかりですね。

  5. こなつ より:

    共用←強要のまちがいです。
    スミマセン。。。

  6. T U より:

    >電波女がこなつじゃないことを祈ってます。
    もちろん違いますよ(笑)
    「うだで」とかも大和言葉、平安言葉ですよね。
    枕草子とかにもでてきます。
    そういうのいっぱいありますよね。
    流民は言葉も連れてきたってことでしょうね。

  7. こなつ より:

    黄砂アレルギーで目が覚めたので、薬が効くまでネット散歩中で~す。
    ほいどは「いど」で「んど」はつかないのに、今読んでて気づいた大馬鹿者は私でした~↓
    頭痛持ちだはんで勘弁してけろ~
    「うだで~」も秋田でも言うの? これは確か中学校の古文で教師が言ってたな~。
    色々比較してみると面白いですね~^^

  8. T U より:

    >色々比較してみると面白いですね~^^
    ホント面白いですね。
    秋田は庄内ともかなり共通してるものありますよ。

コメントをどうぞ

Trackback URL

該当する投稿は見つかりませんでした。

2021 年 11 月
« 2 月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

プロフィール
     投稿者: TU
     紹介: 秋田市在住秋田人。会社を創業、 そして経営。現在30代前半。 人生の真夏。 好きなもの=「秋田」
カテゴリー
QRコード

Tiger Uppercut!~ある秋田人の咆哮 Powered by WordPress
Entries (RSS) and Comments (RSS).