Tiger Uppercut!~ある秋田人の咆哮
サブタイトル タイガー!タイガーアッパカーッ!秋田の歴史、文化、グルメ、時事、そしてステキな未来の書き下ろし!
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人間、いたるところに青山なし

2008 年 2 月 13 日 水曜日

いつものように飲み会が終わり一人夜の街に放り出される。
軽く一杯やりながら読みかけの長曽我部元親を読むべく、さふらっと一軒。
なにしろ代行に電話したら90分待ちだと言われたのだ。

囲炉裏のカウンターで純米酒を一杯。
囲炉裏の中央部に半被を着た40代後半の女性がいて、
一生懸命に切り盛りしている風景がとてもいい。

が、この女性。
まったく要領を得ない。

「くろも酢下さい」とorderしたら「くろもって何ですか?」と聞いてきた・・。

「くろも」っていったら男鹿半島で獲れる特有の天然もずくのことで、
だだみと並んで今が旬の酒肴ではないか。
その席に座っているのにそんなこともわからないの???
っていうか何で俺に聞く必要があるの???
結局、「くろも」が切れているということで「あおさ酢」をすすめられたが、
今度は私が

「あおさ酢って何ですか?」って聞いたら「さあ私も聞いたこともない」

という・・。

明らかに夜の素人なのである。
普通の中流階級のお母さん。
しかも秋田弁も使えないっぽい。
ご覧のように接客はグダグダ。
そしてぼーっとしたり、下を向いてふさぎこんでみたり・・。
やる気などまったくなし。
疲労困憊の様子を全身で表現している。

しかし、こういう光景はよくみることができるのだ。
実はこのお母さんたちは、
息子を東京の学校に出していて、その毎月の仕送りのために、
こうして無理して真夜中まで働かなければならないのである。
仕送りの平均は10万円くらい。
このお母さんは2人を東京の大学に出しているというので、
月にしてなんと20万円。
それに学費やらなにやらあわせるととんでもない費用になる。

月に20万円以上のお金を捻出できるほどの
        所得水準の家庭が秋田にどれだけありますか???

だからお母さんは無理して、
昼はイオンでレジを打ち、夜は居酒屋で慣れない給仕をするのです。
いや、しなければならないのです。
そうして稼いだお金は、息子や娘を経由して、家賃として東京の大家の口座に入り、あるいは食費として東京のスーパーのレジに入る。
そこまでして育てた息子や娘は、もはや学を修めて戻ってなどきやしない。
このお母さんも、お父さんも、行く末は一人で寂しく死ぬのだ。
死に目にさえ戻ってこない者も多いだろう。

人間、いたるところに青山あり、とはいうが、
        故郷より輝く山がどこにあるというのか。

秋田はここまで中央に巻き上げられなければならないのか。
人も物も金も・・。
よく戦争にならないものだと思う。
自然状態であれば、
ここまで搾取された民は武器を持ち、命を懸けて起ち上がるだろう。
秋田人はよほど温厚にできている人々なのか。
そうだとしても、そろそろ限界なのだ。

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プロフィール
     投稿者: TU
     紹介: 秋田市在住秋田人。会社を創業、 そして経営。現在30代前半。 人生の真夏。 好きなもの=「秋田」
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