高校、大学と、秋田の学生街である手形に通っていたので、
手形は第二の故郷のような印象をいまだに持っている。
まあ今ではかなり寂れてしまっていて、往時の姿はまるでないけど。
学生の数は減ってないので、
学生の行動様式の変化が影を落としているのは間違いない。
10年前と比較して学生の可処分小遣いが激減しているという。
不景気が長く続いている現代、学生も金がないのだ。
「家飲み」という我々の時代にはなかった言葉が象徴するように、
それぞれの家で発泡酒でも飲んでいるんだろう。
プレステとかでもやりながら。
学生が外に出て酒を飲まないので、
この10年間、手形の学生街の飲食店は壊滅的な打撃と戦い続けている。
しかしこの間、幾多の名店が、その伝統ある暖簾をおろしたことか。
そういう中にあって、
いまだに頑張っているお店を見かけると無条件で応援したくなるのだ。
「珍竹林」もそのひとつ。
ここは夜の営業をしていないので、
時代屋や上海のように飲み会の〆に使うということはまずなかったのだが、
堅実なラーメンを提供することで私の評価は高かった。
当時は、手形駐在所近くの「あべとん」の並びにあり、
昼飯や一軒目の店としてよく利用していた。
10年くらい前に、どういう事情からか現在の場所に移転。
先日、久しぶりに行ってみた。
懐かしい味・・・
・・ではないのだ。
というのもこういう味のラーメンはよくあるので、あまり懐かしさを感じない。
それどころか、よく食っているような味、と感じてしまう。
しかし、それが「堅実な味」と感じさせる由縁でもあるだろう。
それがこのお店の欠点ではないと思っている。
昔も今も。
堅実な鶏がらスープ
炒飯も悪くはない
ただ、お店の名誉のために記しておかなければならないが、
私が食したのは昔ながらのオーソドックスなメニューだ。
他のメニューを食していたらまた違った印象になるだろう。
特に「酸辣湯麺」がメニューにあるあたり、
店主の向上心や進取の精神が多少感じられると思うがどうか。
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