山王の夜の街。
一人でよく酒を呑むことがある。
トレンチの襟を立てたまま本でも読みながら。
まるで街の間者のように。
だって私は周りのお客さんが多数で楽しくわいわいやっているそのすぐ近くで、
ただ一人無言でちびちび肴をつまみながらやっているのだ。
当然のように危険な情報が耳にバンバン飛び込んでくる。
さすがここ山王は秋田のoffice街の中心地。
様々なリスキーでセクシーでシークレットな企業情報が、
狭い酒場のテーブル越しに飛び交うのだ。
先日もある銀行の支店長らしき酔客は、数名の部下を引き連れて飲んでいた。
なんでもその日、新入行員の研修があったようで、
自分好みのとても女の子が研修にきたというのでかなりムラムラしてしまい、
もうちょっとでガバッといきそうだったという。
もちろん生で聞かされている私にはこの銀行も支店長も、
その新人女子の氏名まですべてわかってしまう。
みなさんそういうトップシークレットのことを大声で話しているのだ。
この会話が公になろうものなら、
その支店の業績は著しく悪化するだろう。
私は話がわかるほうなのでこの程度のネタではまったくなんとも思わないけども、
競合相手の悪口、知事の文句、契約上の微妙な話、
個人情報的にどうかと思うような話などなど・・・そういった話をかなり聞く。
いつかこの情報をデルワナワンガーで「ホワイトスネーク」にまとめて売ろうと思っているので、このblogではもちろん公表することはできないのだが酒の席での会話、特に音量には細心の注意を払った方がいい。
夜の街にはこのような間者がたくさんいて暗躍していて、
それらが我々の知らない事実を動かしているのだ。
身内からは「おまえが一番気をつけろ!」というツッコミが飛んできそうですが・・。
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