学生の頃、ヒマだったのでアルバイトを幾つかした。
普通、アルバイトをする人というのは金を得るためにするものだが、
私の場合は実家だしパチンコが小遣い程度になるくらいにアガリがあったので、
小金に不自由するということはほとんどなかった。
ただヒマなので世間のいうバイトでもしてみようか、という程度の動機だった。
そういう動機なので身が入るわけもなく、すぐに辞めた。
というよりもやはり、辞めさせられた。
クビを宣告するときにはどの人も「もう明日からこなくてもいい!」と怒鳴るモノだということも知った。
最初のアルバイトは、レンタルビデオの店員。
ここで得たモノは自分としては思いがけず非常に大きいモノだった、
にも関わらず3ヶ月でクビになった。
「もう明日からこなくてもいい!」と電話で怒鳴られた。
その電話を受け取ったとき、私は彼女と部屋でsexをしていた。
TVでは阪神の亀山がヘッドスライディングをしていた。
2回目のアルバイトの時は「oilerになろう!」という掛け声のもと、ガソリンスタンドの店員になった。
オイラーという響きのかっこよさと他人のガソリン穴にコックを挿入して給油することがまったく無関係だったとわかったのは勤務しはじめて3日目くらいのことだった。このときもクビの宣告をうけたときは、私は彼女と部屋でsexをしていた。
要するに当時、私にはアルバイトなどしてるヒマはなく、
彼女とsexしたり、友達を創って手形のshoutで酔いつぶれたり、ツインピークスを深夜に見ることで忙しかったのだと解釈できる。
ああいうヒマな生活。
当時からもうこの時期というのは生涯2度とこないだろうと覚悟していた。
卒業すると予定通り、事態は回天しはじめ、私とsexしていた彼女は妻になり、手形の街からは足が遠のき、ローラ・パーマーなど忘却の彼方になってしまった。
社会に出てから12年。
振り返ってみると走り続けてばかりきたんだなあ、と思う。
しかし、走り続けることの楽しさを知ったのもこの12年間。
これからもっと加速しますよ。
※写真の素敵な女性は彼女ではありません。熊ぇりです。
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