私の実家のあるところでは、お盆14日に小規模ながらも梵天祭りを行う。
村にある神社を拠点にして、
約100戸くらいの家々を男梵天、女梵天をもって、
「ジョヤサージョヤサー!」という雄叫びをあげてまわるのだ。
始まりも終わりも神社
ここでまず払い清めの儀式
小さいながらも伝統と歴史がある
ジョヤサージョヤサー
太鼓を刻む少年
文政二年と刻まれている法螺貝
炎天下の中ひとつひとつまわる
そして最後、夜も20:00を過ぎた頃に神社に戻り、
ある儀式を済ませた後、奉納する。
ここでは詳しく描写はしないが、
非常に神秘的な儀式であり、まるで歴史の上流にいる人々と会話をしているよう。
観光ではない。
他人に見せるための祭りではなく、
そのコミュニティの繁栄を真摯に願って行う祭りなので、
もちろん夜店なども出ないし、
非常にシンプルだが、かなりの歴史の重みのある祭りなのだ。
この梵天祭り。
今までは氏子の若人たち、いわゆる青年会が行ってきたのだが、
今年から青年不足で梵天を行うこと叶わず、
一時は中断しようということになった。
数百年続いている伝統がその瞬間、消えることになる。
これは僻地の山間部の話ではない。
県庁所在地である「秋田市内」での話である。
過疎、人口流出は生々しい話であり、猛スピードで現在進行形なのだ。
幸い今回の中断騒動は、
これまでの慣例を打ち破ってみんなでやろうということになり、
老も壮も加わって事なきを得たのだが、根本的には何の解決にもなっていない。
いずれ人口流出という化け物が、
この素晴らしい祭りの息の根を止める日がやってくるだろう。
あなたはいつまで、
遠いところにいるふりをして、
無関心をよそおって、
私たちが滅びゆくさまを
ただ指をくわえて、
ながめているつもりなのか。